広島では5千人が新たに被爆者に 長崎は「証拠がない」

広島高裁判決(2021年)をきっかけに国はその被害者を救う新基準を作り、広島では遠くは爆心地から40キロにいた人までおよそ5千人の「黒い雨」被害者が新たに被爆者と認められました。

しかし長崎は「雨が降った証拠がない」として新基準の対象から外されています。

長崎原爆の被爆地域は東西約7.5キロ、南北約12キロで、12キロ圏内の❝被爆未指定地域❞にいて体調不良を訴えている人達は『被爆体験者』と呼ばれ、精神疾患として扱われています。

被爆体験者 濵田武男さん(83):
「どうして広島だけよくて…本当に悔しい」

被爆体験者の救済を求めている長崎県・長崎市の要望を受け、国は7月から国立の追悼祈念館に所蔵されている『被爆体験記』から、当時の雨や灰の状況を検証する調査に着手しましたが、救済につながるかは不透明です。