ガザへの地上侵攻が起きたら相当な被害か 空爆の段階で2014年の地上侵攻より多くの犠牲者

藤森キャスター:
もし地上侵攻が起きたらどういう被害になるのでしょうか。

2014年7月と比べると、当時はイスラエルが地上侵攻をした際に▼ガザでは2100人以上(3分の2が市民)、▼イスラエルも兵士ら約70人の犠牲者が出たということです。ちなみに、今回はまだ地上侵攻前の空爆の段階で、双方合わせて4000人以上の犠牲者が出ているという現状です。

小川キャスター:
この段階で地上侵攻が起きたらどうなってしまうのかという考えたくもない現実が今、目の前にあるわけですけれども、この2014年の際にガザを取材したのが秌場さんですよね。今回もし地上侵攻となった場合、どんな状況が想像できますか?

TBS秌場 外信部長:
まず地上侵攻というのは空爆だけのときと違い、侵攻後に街に入ると、もう景色が一変しています。空爆だけのときは空爆されたところだけがやられて、建ったままの建物もあります。

ただ、地上侵攻になるとその辺一帯が瓦礫の山です。道を歩くと狙われてしまうので、家の壁から壁を壊して進みます。家にあった団らんとか思い出とか、そういったものはもう何もお構いもなしで、ただの遮蔽物といったことになります。

一方で、イスラエル軍も相当な被害が出ると思います。ガザにはハマスがトンネルのネットワークを構築しており、トンネルから出たり入ったりしながら奇襲を仕掛けてくる。待ち構えてるはずなので、かなりの人的被害がイスラエル軍側にも出ると思います。

小川キャスター:
もう今の時点で生活ができない、インフラが閉ざされてしまっています。ますます生活の根底から壊されていってしまうことを考えると、ガザの住民の方々は、今後どうしていけば…

TBS秌場 外信部長:
ガザ地区というのは希望が元々あまり持てない場所ですが、その希望をさらに打ち砕くことになるでしょう。そして、もし今回ハマスの軍事的な能力をかなり減衰させることができたとしても、肉親を殺されたという恨みや、体験といったようなことは双方に残っていくし、ガザの中でも強く残っていくことになって、それが将来、またハマスのような組織への支持に繋がっていく可能性は大いにあると思います。

“人道危機”にG7議長国の日本はどう支援できるか

小川キャスター:
日本としてはどうこれを…

星 氏:
先ほどから出ているように、今回のハマスの攻撃は絶対に許されるものではないんですが、歴史的な経緯を見れば、パレスチナの土地にイスラエルが割り込んできたという経緯もありますし、実際今ヨルダン川の西岸でイスラエルは国際法違反である入植を進めていますよね。ですから、国際法に違反しているという意味ではイスラエルも非常に重いことをやっています。

日本はパレスチナにもずっと支援を続けていて、よく日本は“中東では手が汚れていない”と言われています。岸田総理もその辺の外交についてはよく熟知されていますし、日本は今G7の議長国ですので、やはりここで仲介の労を取り、ぜひ割り込んでリーダーシップを発揮してもらいたいと思いますね。