全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は、10日から続いているシステム障害で、約255万件の取引に影響が出たと明らかにしました。
そのうえで、明日12日の午前8時半から正常な運転を目指す考えを示しましたが、依然として「復旧のメドはたっていない」とも話していて、あす復旧できるかは不透明です。(11日19時現在)
「全銀システム」ほぼすべての銀行が加盟している
上村彩子キャスター:
銀行間の送金を行うシステムに不具合が生じている問題です。まだ影響が続いているということで、みていきましょう。
10日の午前にシステム障害が発生したことで、大手では三菱UFJ銀行やりそな銀行、そして地方銀行では関西みらい銀行や山口銀行など、11の金融機関で、他の銀行宛の振り込みができないという状況になりました。
このような障害が発生したことで、10日に影響が出た取引は約140万件。残り約40万件の処理が間に合っていないということです。
全国銀行資金決済ネットワークによりますと「解消の目途は立っていない」と、11日の午後2時時点で発表されています。(その後、明日12日の午前8時半から正常な運転を目指すと発表)
では、なぜこのようなことになってしまったのでしょうか?

今回システム障害が起こった「全銀システム」というのは、日本の預金を扱うほぼ全ての銀行が加盟しているネットワークシステムです。
たとえばB銀行からC銀行に振り込みをしたいとなった場合、それぞれの銀行によってシステムが違うので、中継コンピューターを介してデータを変換することで、やり取りを可能にしています。
今回は、この中継コンピューターに不具合が生じたことで、他の銀行宛の振り込みができない、さらには一部で入金も確認できないという状況になりました。
こういったトラブルは過去50年間で一度も起きたことがないということなので、あちこちで影響が出ています。
SNSをみてみますと…

●「生活費を別の銀行に振り込んだが、そのお金が更新されず、宙に浮いている状況」
●「一部従業員の給与が送金できておりません」。「今日もまだ児童手当が振り込まれない」
●「先週、メルカリに振り込み申請したのに、全銀システム障害のせいで売上が入金されてない!」
●「ヤフオクの相手に『振り込み確認できない!今日中に連絡無ければ落札者都合で取り消します!』って言われた」
このように、影響は企業から個人まで大きく広がっています。