■第19回アジア競技大会(7日、中国・杭州)
アジア大会初の採用となったダンススポーツ「ブレイキン」の決勝が行われ、男子は日本のエース「Shigekix」こと半井重幸(21)が金メダルを獲得し、初代王者に輝いた。さらに今大会の優勝者にはパリ五輪の出場権が与えられるため、見事五輪代表の座を手にした。
パリオリンピックの追加種目に採用されているブレイキン。前日の1次リーグを通過した8人が決勝トーナメントに進み、日本勢は男女ともに代表2人がそれぞれ準々決勝に進出した。DJがかける音楽に合わせてダンスを即興で披露し、1対1で競う。9人のジャッジの採点で勝敗が決まり、3ラウンド制(2ラウンド先取)で争われ、スタミナも必要となる。
半井(ダンサー名Shigekix)は準々決勝で台湾の選手を相手に1-1から第3ラウンドを制し準決勝へ。準決勝からは3ラウンド続けてのパフォーマンス。半井は18歳の中国選手に対し、3-0でファイナルに進出した。
決勝は韓国の38歳ベテラン・キム ホンヨルと対戦し、先攻の半井は頭で回るヘッドスピンなどアクロバティックな技で魅了し、最後は世界トップレベルの「フリーズ」を決めた。接戦となったファイナルは、2-1で半井が勝利。9月の世界選手権(ベルギー)では3位でパリ五輪切符はお預けとなっていたが、アジア大会を制しパリ五輪内定も手にした。
18歳の菱川一心(同ISSIN)はスピード感のあるアクロバティックなパワームーブで魅了し、韓国選手に2-0で勝利したが、準決勝でキム ホンヨルに0-3で敗退。3位決定戦では1-2で敗れ惜しくもメダルを逃した。
また女子では、湯浅亜実(24・同AMI)が決勝に進出したが、中国選手に1-2で敗れ銀メダル。福島あゆみ(40・同AYUMI)は準々決勝で2ラウンド連取したが、準決勝で1-2で敗れる。だが3位決定戦で3-0と圧倒し、銅メダルを獲得した。
■Shigekix 半井重幸(なからい・しげゆき)
2002年3月11日生まれ。大阪府狭山市出身。姉でダンサーでもあるAYANEの影響で7歳でブレイキンを始め、18年ユース五輪では銅メダル。20年には世界最高峰の国際大会の一つ「Red bull BC One」を史上最年少の18歳で制覇。ダンサーネームである「Shigekix」はお菓子の人気商品から由来する。