■第19回アジア競技大会中国・杭州(7日、大会14日目)
野球の日本代表は3位決定戦で地元・中国に4ー3で勝利し、今大会は銅メダルを獲得した。日本は野球が正式種目となった94年に金メダルを獲得して以来、8大会連続でメダルを手にした。
社会人野球チーム所属の選手で構成された“侍ジャパン”は、前回から野手は3人変更。“完全アウェー”の中、1点を追う8回で逆転に成功。先発の堀誠(28)は4回3失点も、元メジャーリーガーの田澤純一(37、ENEOS)らリリーフ陣が無失点でつなぎ、最後は1点リードを守り切った。
【中国戦のスタメン】
1)遊 中川拓紀(24、本田技研工業)
2)二 下川知弥(30、東日本電信電話)
3)三 北村祥治(29、トヨタ自動車)
4)左 佐藤竜彦(28、本田技研工業)
5)捕 辻野雄大(30、本田技研工業)
6)DH 金子聖史(30、東芝)
7)右 鈴木聖歩(26、東日本旅客鉄道)
8)中 向山基生(27、東日本電信電話)
9)一 丸山壮史(24、ENEOS)
投手:堀誠(28、東日本電信電話)
セカンドステージ第3戦(3日)では中国に0対1で2安打完封負けを喫していた日本。
先発の堀は、1回に2本のヒットとバントで2死二・三塁のピンチを招くと、先制のタイムリーを浴びる。打線は中国先発の黎凝佶(20)を相手に、1点を追う2回、1死二・三塁のチャンスを作ると、鈴木がライト線への2点タイムリーを放ち、2-1とすぐさま逆転に成功。
だが堀は3回に1死でヒットを許すと、WBC中国代表の4番・寇永康(22)にライトスタンドへ逆転の2ランを浴び2-3。寇はWBC1次リーグ初戦の日本戦で大谷と戸郷を前に3打数無安打だったが、この日は値千金の勝ち越し弾を放った。
再び追い抜きたい打線は、3回は中川がヒットと盗塁で二塁に進むが後続が返せず。5回は2死から下川がショートのエラーで出塁するが、その後一塁牽制死で3アウト。
投手陣は5回、2人目・加藤三範(25、ENEOS)が1死で四球を出すも併殺打で切り抜ける。6回はレッドソックスなどでプレーした田澤がマウンドに上がり、1死からヒットと盗塁で二塁に進まれるも後続を打ち取る。7回は都市対抗MVPの嘉陽宗一郎(27、トヨタ自動車)が先頭打者にヒットを許すも、後続を3人で抑え打線の反撃を待つ。
3回以降無得点の打線は8回、先頭・丸山が二塁打で出塁すると、中川の二ゴロ間で三塁へ。ここで代打・猪原隆雅(23、ミキハウスフィールド)がタイムリーを放ち3-3と試合は振り出しに。さらにワイルドピッチ、四球、ピッチャー強襲の内野安打で1死満塁とすると、途中出場の南木寿也(24、北海道旅客鉄道)のショート内野安打で4-3と勝ち越しに成功。ここから突き放したいところだが、金子が浅いフライでアウトになるなど追加点を奪えず。
9回の打線は1死満塁から凡退。1点リードのまま迎えた9回は佐竹功年(39、トヨタ自動車)が3人で締めゲームセット。接戦の中、初のアジア大会メダルなしの危機も、見事逆転で銅メダルを獲得した。
※写真は先発の堀誠投手