今年2月の大阪マラソンで2時間06分53秒と、従来の初マラソン日本最高を上回った池田耀平(25、Kao)への期待が大きい。9月29日から10月5日に行われるアジア大会(中国・杭州)陸上競技の男女マラソンが最終日に行われる。初の日本代表という点でも、失敗が散見される2度目のマラソンという点でもプレッシャーがかかる。だが池田は「走る以上は1番を目指します。メダルは絶対に取りたい」と、アジアの強豪を相手に一歩も引かない構えだ。
ニューイヤー駅伝4区区間賞から初マラソン
池田は日体大4年時の箱根駅伝(21年1月)エース区間の2区(23.1km)では、1時間07分14秒で区間3位。Y・ヴィンセント(東京国際大)が区間新を出した影に隠れてしまったが、1か月前に日本選手権10000mで27分台(27分58秒52)を出し、なおかつ20km以上の距離でも結果を出したことが関係者の評価を高めた。
Kao入社1年目のニューイヤー駅伝(22年元旦)は3区(13.6km)で区間11位と、実業団のスピードに完全に対応したわけではない。2年目のトラックシーズンもそこまでレベルが上がったわけではないが、今年元旦のニューイヤー駅伝はエース区間の4区(22.4km)で区間賞。入社2年目に入るタイミング(22年4月)でマラソン挑戦を決意したことが、駅伝にもプラスに働いた。
「トレーニングのボリュームを増やすことを考えました。そうすると故障のリスクが高まりますが、故障を回避するために食事、睡眠など、トレーニングに加えて日常生活の意識も高めました。すぐに結果は出ませんでしたが、ニューイヤー駅伝で成果が現れたと思います」
トレーニングのボリュームを増やし、その中でも駅伝で区間賞をとるスピードもつけた。初マラソンはその流れのまま出場し、2時間06分53秒(大阪マラソン日本人2位)と従来の初マラソン日本最高(2時間07分31秒)を上回った。マラソン進出に時間がかかる選手も多い。その点、池田は特別なマラソン練習を行ったというより、ランナーとしての器を大きくすることで42.195kmに対応することができた。