「ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたいと思います」

このような理由で、ジャニーがいる稽古場とは全く違う場所で働いており、Jr.の皆様との接点もなかったので、今回申し出てくださった中で、私がお会いしたことがあるのは9人です。それ以外の多くの方々とはお会いしたことがないのです。今から思えば、ジャニーの親族であり、女性である私にJr.の皆さんはもちろんのこと、タレントの皆さんも噂話をすることや相談もしにくかったのではないかと思います。

今、被害を申告されている方々の中で、私を含め現在の役員が被害者の方々について、直接知る情報は在籍していたかどうか以外にほぼございません。そこで、ジャニーやJr.と私以上に近い距離で接していらした元役員、元社員、そして外部スタッフの皆様には、被害者救済のご協力をぜひお願いできたらと思っております。

ジャニーズ事務所は、廃業に向かっておりますが、一人たりとも被害者を漏らすことなく、ケアしていきたいと思っております。知らなかったということを言い訳にするつもりは全くありません。メリーが言うことを信じてしまっていたことや、そしてそれを放置してきた自分の鈍感さ、全て私の責任です。

また、今回なぜ私が100%の株主で残るのかと多くの方々から批判されました。実は多くのファンドの方々や企業の方々から、私個人に有利な条件で買収のお話もたくさんいただいております。そのお金で相続税をお支払いし、株主としていなくなるのが補償責任もなくなり一番楽な道だとも、何度も何度も多くの専門家の方々からアドバイスされました。

しかし、100%株主として残る決心をしたのは、他の方々が株主で入られた場合、被害者の方々に法を超えた救済が事実上できなくなると伺ったからでした。そういう理由で、現在の会社には株主100%として残りますが、チーフコンプライアンスオフィサーを外部から招へいし、今後私は補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務は一切ありません。

また、今後私は全ての関係会社からも代表取締役を降ります。また、ジャニーとメリーから相続をしたとき、ジャニーズ事務所を維持するためには、事業承継税制を活用しましたが、私は代表権を返上することでこれを辞めて、速やかに納めるべき税金を全てお支払いし、会社を終わらせます。ジャニーズ事務所を廃業することが、私が加害者の親族としてやり切らねばならないことなのだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたいと思います。

最後にジャニーズ事務所に所属するタレント、これまで応援してくださった世界中のファンの方々のお気持ちを考えると本当に本当に申し訳なく、言葉にもなりません。また、関係各所の皆様、ご迷惑ご心配をおかけして大変申し訳ございません。今日記者会見に出席せず、このようなお手紙を出すことで逃げた、卑怯だと言われることは重々承知です。

今回初めて公にお話したメリーは、本当にひどい面も多くあったのですが、優しいときもあり自分の母でもあり、皆様の前でお話したいことを過呼吸にならずにお伝えできる自信がなく、このようなお手紙にさせていただきました。誠に申し訳ございません。

改めて被害者の皆様、ジャニーのしたことを私も許すことができません。心から申し訳ないと思っております。また、タレント・社員の皆さんがこれから新しい道に思いっきり羽ばたき、みんなが幸せになれるよう、私はそれを後押しできるような形になるよう、精一杯頑張っていきたいと思っております。どうか引き続きご指導ご鞭撻いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。