現在の宇宙産業「ITの黎明期と似ている」
実は今、韓国も日本と同様に「アジアのハブ」を目指し宇宙開発を強化している。宇宙産業に詳しい青木英剛氏は、韓国は今後、日本の「脅威」になると指摘する。

宇宙エバンジェリスト 青木英剛氏
「まだ日本と同じレベルという形ではないが、ここ近年の彼らの成長開発レベル、技術レベルを見ていると、非常に急成長している国。ヘッドハントも積極的にやっています。(Q.日本からの引き抜きがある?)はい、これも家電であったり、自動車産業と全く同じ流れで動いていますので。人工衛星を開発していたエンジニアの方とかには、お声がかかっていると聞いています」
青木氏は、現在の宇宙産業について「日本が出遅れたITの黎明期と似ている」としたうえで、国の支援の重要性をこう説明する。
青木英剛氏
「スペースXですらNASAの支援なしに今がないと言われていて、NASAもスペースXが成功するかどうかも分からないような段階から、リスクを取ってアメリカ政府として発注を実は既にしていました。意図的にアメリカの政府は、最初のペンギンとなって、リスクを取って資金的な支援をした」
今年3月、小田切氏は資金集めに奔走していた。「北海道スペースポート」に新たな発射場(LC‐1)をつくるためだ。その資金集めの方法は、なんと企業に寄付を求める「ふるさと納税」だった。

小田切社長
「引き続き『ふるさと納税」のご協力を頂きたい」
萩原建設工業
「大きな事業で、成功されるように、私どもも協力させていただきたい」

新たな発射場(LC‐1)の整備費は23億円。大樹町は11億円あまりを国から地方創生の交付金でまかなっているが、残りは「ふるさと納税」で集めざるを得ない状況だ。
小田切氏は、日本の現状に危機感を隠さない。

小田切社長
「残念ながらトップグループからかなり離されているというのが、正直なところだと思います。今のペースでやっていくと、今アメリカではもう人工衛星をかなり安く上げられる環境になっていて、彼らが次にやろうとしているのは、(アメリカが)様々な国に行って衛星を上げますよっていうふうになってしまう可能性がある。今、正念場にあって、今を逃したら自分たちの取れるマーケットは本当に少なくなってしまう」