弁護団「患者切り捨てを厳しく断罪した判決 全ての被害者救済に向け大きな一歩」

判決後の会見で弁護団は、「正直かなり難しい訴訟であったことは間違いないが、原告側の主張がこれほどほぼ全面的に認められた判決は初めてと言っていいのではないか。非常に画期的な判決だと思っている」と話した。同時に声明を発表し、「患者切り捨てを厳しく断罪したものであり、全国で闘われているノーモア・ミナマタ第2次訴訟の先陣をきる判決として、未救済原告を励まし、全ての水俣病被害者の救済に向けて大きな一歩を踏み出すもの」と評価した。

原告の前田芳枝さん(74)は、「9年余りできる限りのことをしてきた。勝訴とわかった時点で、やっと認められたんだと… 本当に嬉しくて嬉しくて…」と涙ぐみ、進行協議で八代海現地を訪れた裁判所関係者にも感謝の言葉を述べた。

一方の被告側。環境省は「判決の詳細は把握していませんが、国の主張が認められなかったものと承知しております。今後判決の内容について精査し、関係者と協議しつつ対応を検討してまいります」

熊本県は「判決の詳細は把握していませんが、これまでの国、県の主張が認められなかったものと承知しています。判決内容を精査した上で、対応について検討して参ります」

チッソは、「判決内容を精査しているところなので、現時点でコメントはできない」とそれぞれコメントしている。

(MBS司法担当 松本陸)