男子60kg級

日本のホープ・近藤隼斗(22)の初優勝なるか、期待が集まります。配置は第6シード。準々決勝で東京五輪銀メダルのヨウ・ユウイ(台湾)、準決勝で2022年世界選手権銀メダルのエンフタイワン・アリウンボルド(モンゴル)と戦うと予想されます。特にヤンは強敵。間違いなく厳しい組み合わせなのですが、近藤は昨年ヤンを内股「一本」で破っており、エンフタイワンは癖のあるタイプではありますが、メダル候補の中では力的に一段落ちます。逆側の山のシード選手に厄介な選手が集まったことまでを考えれば、決して悪い配置ではありません。寝技のヤン、地力のエンフタイワンを破ってしっかり決勝に進みたいところです。

決勝の相手は、5月のドーハ世界選手権で銅メダルを獲得したイ・ハリム(韓国)となる可能性がもっとも高いと読みます。イは掛ける技のほとんどが「担ぎ技」で比較的戦いやすいはずなのですが、優勝に兵役免除が掛かる韓国男子選手は、アジア大会では一段戦いぶりが上がる傾向があります。油断なく戦いたい一番です。近藤選手らしい美しい「一本」に期待しましょう。

男子66kg級

日本代表・田中龍馬(21)は第3シード。準決勝はほぼ確実に2015年世界選手権金メダルのアン・バウル(韓国)、決勝ではおそらく世界選手権で2度銅メダル獲得のヨンドンペレンレイ・バスフー(モンゴル)との対戦が見込まれます。彼の特徴は威力ある背負投と「馬力」で、準々決勝まではこれが遺憾なく発揮されるでしょう。この先はインサイドワーカーのアン、「体力モンスター」のヨンドンペレンレイを相手に一段上の引き出しを開けることが求められます。2試合ともに体力・精神力をフルに使う「削り合い」になる可能性が高い。彼のもう1つの長所である「気力」と勝負強さに期待したいと思います。

(TEXT by 古田英毅)

【柔道日程】
24日 女子48kg級、女子52kg級、男子60kg級、男子66kg級
25日 女子57kg級、女子63kg級、女子70kg級、男子73kg級、男子81kg級
26日 女子78kg級、女子78kg超級、男子90kg級、男子100kg級、男子100kg級
27日 混合団体

※写真は角田選手