“アジア版のオリンピック”と言われるスポーツの祭典、アジア大会。24日に中国・杭州で初日を迎えるこの大会は、東京オリンピックを超える40競技481種目のスポーツで繰り広げられるアジアNo.1決定戦。
初日に行われる注目競技の1つが、日本のお家芸とも言われる”体操”。オリンピックで日本が最もメダルを獲得している競技だからこそ、アジア大会でも金メダルが期待される。今回はその”体操”で、男子団体金メダル獲得の鍵を握る最強兄弟を紹介。兄の谷川航(27、セントラルスポーツ)と、弟の谷川翔(24、セントラルスポーツ)。
兄・航は、過去世界選手権に3度出場する他、東京五輪の代表メンバーとして団体銀メダルを獲得する等、国際経験が豊富な体操ニッポンに欠かせない頼れるベテラン。足腰の強さがトップクラスで、着地をよく止められることから「着地王子」の異名がついている。
航が最も得意とする種目が「跳馬」
足腰の強さを生かし、ダイナミックで高さのある跳躍をするのが強みである。彼の持つ武器が、跳馬で世界最高難度(価値点6.0)のリ・セグァン2(前転跳び前方屈身2回宙返り1/2ひねり)という、世界でも数人しかできないとされる大技。「リ・セグァン2は、ほかの選手があまりやってないので目立つ技。技を繰り出した時の雄大さや着地の高さが審判から評価される。そこが見てほしいポイントかなと思います」と航は話す。
弟・翔は、2018年の全日本個人総合選手権で世界王者の内村航平を破り、史上最年少で全日本王者に輝いた他、アジア大会の前回大会(18年・ジャカルタ)にも出場。男子団体総合銀メダル獲得に貢献した。股関節の柔軟性を生かした体操が彼の持ち味で、ダイナミックで美しい開脚旋回を実施できることから、「開脚王子」の異名がついている。
弟・翔が最も得意とする種目が「あん馬」
「構成で組んでいる技10個ある中で、殆どが開脚旋回の技。普通の人とは違った演技ができると思う。『どんだけ開脚すんだ!』っていう(笑)。開脚旋回をやっている選手もいますけど、開脚度合いの違いを見てほしい。そこ(開脚旋回)が注目ポイントかと思います」と自信を持っている。

「剛」の兄と、「柔」の弟。兄弟それぞれが異なる特徴や武器を生かして臨むアジア大会、最大のライバルとなってくるのは開催国の中国代表。