運転時間が半分に! 現場のドライバーの反応は…
来年4月以降のドライバー不足に備え、活用が広がるRO-RO船。例えば、愛媛県松山市から宮城県までドライバーがトラックを運転し、すべて陸路で荷物を運ぶと約15時間かかります。
一方、途中の三島川之江港から千葉港までをRO-RO船での輸送に切り替えることで、ドライバーの運転時間は船に乗る前後合わせて約7時間半と半分に減らすことができました。

<トラックドライバー>
「貨物を集荷したあと、港でシャーシー(=トラックの荷台部分)を切り離したら、そのままRO-RO船に預けられるので、長距離輸送の場合と違って定時で退社できるようになりました。身体的にはかなり楽になりますね」
荷物を預ける企業にとっても、RO-RO船はコストを増やさず大量輸送ができるため、メリットが大きいと言います。

四国中央市から全国に紙製品を出荷する、製紙業大手の大王製紙は…
<大王製紙 流通企画部・蛭田博之 課長>
「大量輸送ができるのがまずポイントです。また、2024年問題のドライバー不足にも対応できます。コストも従来とほぼ同じ価格でCO2も削減できて、荷主にとってはメリットが大きいと思います」
さらにRO-RO船は、大規模災害で道路が寸断された場合の輸送手段としても期待されています。
大王海運では、四国4県からのRO-RO船の需要拡大に対応するため、去年6月、市内に新しい大型物流倉庫を設置しました。

<大王海運・曽我部雅司 社長>
「現状、船の輸送能力は限られていますが、今後さらにSDGsの進展や環境問題に対する意識が強まってくると、さらなる輸送方法の見直しが求められてくると思います」
とうとう来年4月に迫った“2024年問題”。物流業界では持続可能な新しい輸送のかたちを模索する動きが進んでいます。