歌手・沢知恵さんが大島でコンサートを行う理由

ハンセン病療養所がある香川県高松沖の大島で、今年も歌手の沢知恵さんがコンサートを開きました。入所者が37人になった島に外からの観客が4年ぶりに戻ってきました。

(沢知恵さん)「♪セミが鳴いているね 夏も終わるね」

歌手の沢知恵さんがコンサートを開く大島に、50人の観客が到着しました。

島の外から観客が来るのは4年ぶりです。新型コロナの感染防止のため2年間開催できず、ようやく再開した去年(2022年)は外からの来客は許されませんでした。

沢さんが島で初めてコンサートを開いたのは2001年。できるだけ多くの人に島に来てもらい、入所者という命の営みがここにあることを知ってほしいという願いからでした。

かつて島には小学校があった 卒業生が開いたイベントとは

国のハンセン病療養所がある大島、コンサートに合わせて懐かしいイベントも戻ってきました。

島を案内するツアー、ガイド役を務めるのは三橋昂生さんと、友人の藤岡直也さんです。2人は、毎回ボランティアでガイドを続けています。

(三橋昂生さん(28))
「もともとぼくは、ここの島にあった庵治第二小学校出身で卒業生です。卒業してからは島外に出て、現在東京に住んでまして」

昂生さんに初めて出会ったのは20年前。今よりずいぶんふっくらしています。通っていたのは庵治第二小学校、6年間をのびのびと過ごしました。

卒業の頃には、すっかり背も伸びた昂生さん。式には療養所の入所者も駆け付け、別れを惜しみました。