ワクチン接種 医師の見解は

ーー今流行っているエリス(「EG.5」系統)や、新しいピロラ(「BA.2.86」系統)にも効果はあるのでしょうか?
長崎大学大学院 森内浩幸教授:
かなり変異しているのでどうかなと心配していたんですけれど、今出ているデータを見る限りは、重症化を抑える効果なども十分に期待できるだろうと思います。
ーー全国的には感染が増えている状況でしょうか?
森内教授:
地域差はあると思うんですけど、ちょうど「エリス」に置き換わってるところが増えていますので、少なくともどんどん上がっていくということにはならないと思います。

ーーアンケートの結果「接種する」という方は半数を超えていました。一方で「悩んでいる」という方が20%いらっしゃいます。この結果についてはいかがでしょうか?
森内教授:
今のワクチンは感染を防ぐことはできない、あくまでも重症化を防ぐワクチンですので、人によってワクチンのメリットの大きさは違うと思います。
高齢者や、疾患のある方、高度に肥満している方や妊婦さんはぜひ接種してほしいと思いますけど、若くて健康な方が悩むのはある意味当然かなと思います。
ーー10月からインフルエンザのワクチンもありますが、2つ打っても問題はないでしょうか?
森内教授:
全く問題ありませんし、リスクのある方はインフルエンザと新型コロナで大体かぶっていますので、そういう方はぜひ打ってほしいと思います。
同時に接種しても有効性・安全性に問題がないことはわかっていますので、打てるタイミングになったところで、できるだけ早く打っていただけたらと思います。
ーー無料での接種は、今回で最後となるのでしょうか?
森内教授:
おそらくインフルエンザと同じような考え方になると思います。
高齢者や、基礎疾患を持っている人たちに対しては定期接種という形で対応する。
そして私達医療従事者が、それぞれの勤め先の方で確保する、そういう感じに変わっていくんだろうと思います。
ーー2回、3回とコロナにかかった人も、ワクチンを打った方が良いですか?
森内教授:
若くて健康な人であっても、1年以上最後の接種から時間が経っている人であれば、接種した方がやはりメリットは大きいと思います。
ただ重症化する確率がより低いわけですので、‟強い推奨”ということではないと思います。
ーーインフルエンザに関しては、ずっと流行状態が続くと見た方がいいんでしょうか?
森内教授:
ちょっと流行が読めないですね。
最近はコロナの流行に伴って、いろいろな感染症の流行パターンが大きく変わりましたので、インフルエンザも完全に静まらないくすぶった状態がずっと続いて、そのまま一気に冬の流行に向かっていく可能性は十分あると思います。
ーー秋・冬に気を付けるべきことはありますか?
森内教授:
冬は感染しやすい3密(密接・密集・密閉)の環境になりやすいので、マスクの着用や換気をきちんと注意するということは大事だと思います。
普段から健康状態を保つことが大事ですので、ストレスの溜まるような状況とか、寝不足とかもいいわけではありませんから、そこのところも気にしていただけたらと思います。
(ひるおび 2023年9月20日放送より)