娘との別れを前にした“お願い”とは
赤ちゃんが眠りについたあと、りかさんは岡田さんと手続きを始めた。
岡田代表
「これは特別養子縁組に出しますという、意思確認の書類だから」

精神的に不安定で、1人で育てていく自信が持てない。養子に出すしかなかったと、りかさんは言う。
りかさん
「子どもには不幸にさせたくない。この子のためにちゃんと育ててもらえる人の所に行った方がいい。産まれてきてくれてありがとうの感謝で預けるから」

幼い頃に親から虐待を受けた影響もあるという。
りかさん
「親と同じこと(虐待)をするって考えたら恐怖じゃないですか。子どもにしてしまったらっていう考えを強く持って」
娘との別れを前にして、りかさんは岡田さんにあるお願いをした。母子手帳のコピーだ。

りかさん
「産んだことを忘れたくない。どれだけ成長したか。どれくらい可愛がられているか気になる」
娘との別れの時 あえて見送りはせず
出産から9日。ついに娘との別れの時が来た。
岡田代表
「じゃあいくよ」
りかさん
「いってらっしゃい」
りかさんは、あえて見送りはしないという。
雨の中、赤ちゃんは出て行った。岡田さんが赤ちゃんを連れていった先には、新しい家族が待っていた。夫婦と6歳の長女、4歳の長男の4人暮らし。この2人も養子で迎え入れられている。

育ての母(49)
「可愛くて胸がいっぱいです」
育ての父(53)
「いよいよ3人目の父親になるので頑張ります」
自宅で、初めての抱っこ。

――初めて抱っこしてみてどうですか?
育ての母
「本当に可愛くて、上の子どもたちもこんなに小さかったかなと」
家族全員笑顔がこぼれる。妹ができたと喜ぶ長女も。
長女(6)
「したい、抱っこ」
育ての母
「小さいから気を付けてね」

育ての父
「小さいな、可愛いな」
長女
「ちょっといま目が開いたよ」
育ての母
「家族が増えて本当に嬉しいと、顔見てしみじみと思った」
なぜ養子縁組で子どもを受け入れたのか?