「お金・保険証・住所なくホームレス状態の妊婦」 次々と相談に
NPO法人「Babyぽけっと」の岡田代表のシェルターにも悲痛な声が相次いでいる。
NPO法人「Babyぽけっと」岡田卓子代表
「親に秘密で、破水したってことで今入院するんですか?ホテルから救急車呼んだ方がいいですね」

メールでも…
「収入はゼロで育てられる環境もありません」
「未受診で2日前に破水と出血があり救急で初受診」
「相手と連絡がとれない」

2023年に入って40人もの妊婦を受け入れてきた。
岡田代表
「お金・保険証・住所がなくホームレス状態の妊婦さん、言葉悪いけどそういう人が次々相談に来ます」

「最後まで誰にも言えない…」が事件につながるケースも
特定妊婦による事件も相次いでいる。
福岡県大野城市では、特定妊婦に登録されていた母親が生後7か月の男の子を殺害したとして逮捕された。出産後も面談などを行っていたが、事件は防げなかった。
さらに、神奈川県藤沢市で特定妊婦が出産後に当時2歳になる息子を暴行し死亡させ、逮捕されている。
誰にも相談できずに出産し、母親が赤ちゃんを死なせてしまうケースも後を絶たない。
岡田代表
「(特定妊婦は)経済的に周りに迷惑をかけるとか、お金もないのにどうしようとか、色んなことがぐるぐる回ってくる。『最後まで誰にも言えない』とどこにも繋がらないと遺棄(事件)になってしまう」

支援事業に関わる自治体は全国で約2割に留まる
しかし、特定妊婦への支援には課題がある。
民間団体に頼っている部分が大きく、行政として支援事業に関わる自治体は全国で2割ほどに留まる。
岡田さんは、行政による支援を広げる必要性を訴える。
岡田代表
「(妊婦が)行政にも相談して色々行ったが、どこも駄目だったと。若いのだから頑張れと言われた。誰にも相談できない。フォローしてもらえない人を、やっぱり私たちがその分フォローしないといけない」

2日後には我が子を養子に…
4月末、無事に出産したりかさんを、岡田さんが出迎えた。

予定日より早く、帝王切開での出産だった。
りかさん
「元気に産んであげられてよかった。うちができるのは元気に健康で産んであげることだから。それができてよかった」
退院後すぐにシェルターに帰ってきた。
2日後には養子に出すことになる我が子。母乳ではなくミルクをあげるのは、別れが辛くならないようにするためだ。
それでも自分と似ているところが次々と目に留まる。
りかさん
「パーツパーツ全部私」

NPO法人「Babyぽけっと」岡田卓子代表
「眉毛がすごいな」
りかさん
「目もそうでしょ」