県が現在、輸出先のターゲットとしているのは台湾・香港・シンガポール・アメリカ。

その中でも今年度重点に位置付けるのが台湾です。

9月7日、県は東御市に県産米を輸入する台湾の事業者を招きました。

米作りの現場を肌で感じてもらい、台湾でのPRに生かしてもらおうという狙いです。

初めて訪れたという輸入会社の最高責任者・陳威志(チェン・ウェイジー)さんは標高の高い場所での栽培技術に関心を示していました。

柳澤さんは、八重原の歴史や米作りの環境を丁寧に伝えます。

柳澤さん:
「今は整備されたのでちゃんとした水路になってますけど、僕らのおじいちゃんたちの時代までは、3月くらいは一か月泊まり込みで水路を全部直して水を引いてお米を作っていた」


陳さん:
「台湾において日本米と言ったら新潟の方がやはり有名ですが、長野県のお米はとてもおいしいので、台湾の皆さんにも認識してもらえるように頑張って努力していきたいと思います」

県のコメの輸出額2.3億円は、14.8億円の新潟県のおよそ6分の1、9.0億円の北海道の4分の1と大きく水を開けられています。

しかし…

柳澤さん:
「全国的に産地と言われるところは量がとれているところなんですけれども、(長野県は)品質的には非常に安定して毎年良いものがとれまして」


長野県の強みは一等米の比率の高さです。

標高が高いため昼夜の寒暖差があり、安定した品質で生産できる国内トップレベルの産地だといいます。

県農政部・農業政策課 内田達也さん:
「(県産米の)品質においては自信を持っております」
「その美味しさを武器にPRしていきたいと思っております」

柳澤さん:
「酒米もすごく良い品質のものがとれますので、日本酒にして、またそれもアピールしていくという意味では長野県の米農家っていうのは十分戦っていける余地はあるんだろうなというふうに思います」


柳澤さんは8月、自宅の土蔵をリノベーションした日本酒の店をオープンさせました。

自身が育てた酒米で県内の酒蔵が醸した酒。

中には、世界最大規模のワイン品評会の日本酒部門で今年、最優秀賞に輝いた酒蔵のものも並びます。

柳澤さん:
「ここら辺って本当に環境に恵まれてるので、稲が本当に黄金色になってから収穫になりますので、お酒を飲んだときにこういった風景を感じてもらえるような取り組みができたらなと思いまして」

輸出米のほか信州の日本酒の魅力も深く知ってほしいと語る柳澤さん。

東御市八重原を拠点に世界を見つめています。


柳澤さん:
「僕ら農業者が発信してるからこそ、そのテロワール(環境)・風土の見える日本酒っていうのがアピールできると思いますので、ワインの文化・海外にぜひ僕たちの作った日本酒も持っていきたいなっていうふうに思っています」