《7月18日 事件当日 逡巡と決断》

事件当日の朝。コンビニで購入した牛丼とカップラーメンを食べ、ガソリンスタンドでガソリンを入手した。台車を押して、第一スタジオの前に着いた青葉被告は、いざ到着すると、こんな考え事をしたという。

青葉被告「やることが、あまり好ましくないのではないかと。秋葉原で殺傷事件を起こした加藤智大元死刑囚も、実行前に考えたということだったと思うが、自分もやはり、そういうことを本当に実行するかについて考えた」
弁護人「なにを考えた?」
青葉被告「遡ってこの10年間、郵便局で働いて辞めさせられ、刑務所に入れられて、小説を京アニに送ったら原稿を叩き落されて、パクリもあった。それらを振り返っていた」
弁護人「考えた結果、どうなった?」
青葉被告「どうしても許せなかったのが京都アニメーションだったということになります」

それから実行に移した。ガソリンをバケツに入れて、開いていたドアから侵入。入ると近くに作画をしていたような1人と、奥に女性が2人いるのが見えた、女性らは『何、何?』と言っていたという。青葉被告はガソリンを、右手で振り上げる感じで、一面に撒き、すぐに火をつけた。(※青葉被告の発言より)

弁護人「火をつけた前後で、見えたものや聞こえたものは?」
青葉被告「周りの人が『なんだ、なんだ』という動作をしていたと思うんですけど、建物に入って火をつけて出るまで30秒もかかっていない。周りも『何やってるのか』って感じだったと思いますし、自分も火をつけて即座に逃げた」
火は青葉被告にも燃え移った。地面に寝転がって火を消したところで、警察官に確保された。

弁護人「当時はどう思っていましたか」
青葉被告「「パクったり、をやめさせるには、スタジオ一帯を潰すくらいのことをしないとだめじゃないかという考えはありました」
弁護人「確認ですが、今回の事件はナンバーツーに対するメッセージということ?」
青葉被告「それもあります」
弁護人「ナンバーツーが京都アニメーションを通じて、青葉さんにしてきたことはなんですか?」
青葉被告「作品を落とすとか、パクってくるとか、そういうことになります」