ウクライナ東部での激しい攻防が続く中、ウクライナ軍は戦場で武器が使えない、足りないという事態になっている。これまでは「欧米からの武器が揃う6月中旬以降にロシア軍への反転攻勢が可能になる」と言われていました。一体なぜこのような事態になってしまったのか、専門家が解説します。

■更なる軍事支援をよびかけるウクライナ 各国も続々追加支援

上村彩子キャスター:
ウクライナ東部で激しい攻防戦が続いています。ウクライナ軍は、欧米から武器支援を受けても戦場で“使えない”という状況なんだそうです。どういうことなんでしょうか?一方でロシアのプーチン大統領は、各国首脳と会談を続けています。詳しく見ていきましょう。


まずは、ウクライナ軍の武器についてです。ウクライナ東部・ルハンシク州最後の拠点とされているセベロドネツクでは、激しい攻防戦が続いていて、ウクライナの市民約1万人が取り残されているということです。

アメリカ ミリー統合参謀本部議長
「おそらく4分の3程度がロシア軍に奪われた」
(6月15日 CNNによると)

厳しい状況が続いていますが、ウクライナのゼレンスキー大統領は「必要な武器と機材を手に入れるため、毎日苦心している」として更なる軍事支援を各国に求めています。
さらには、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「戦争を終わらせるために、重火器でロシアと対等になる必要がある」として、▼戦車500両や▼ドローン1000機など、具体的な要望をSNSで発信しているんです。

このような要請に対する欧米の動きです。


▼アメリカ
新たに約1330億円の追加軍事支援を表明
対艦ミサイル、りゅう弾砲、暗視装置などの武器供与も表明

さらには、ベルギーのブリュッセルで行われたウクライナの軍事支援について話し合われる「ウクライナ防衛コンタクトグループ」会合(米・NATO加盟国など50か国参加)では、各国が軍事支援を表明しました。

▼ドイツ
多連装ロケットシステム
▼スロバキア
ヘリコプター・ロケット弾など