評論家でTBSラジオ「荻上チキ・Session」のパーソナリティ、荻上チキが、5月に東欧に入り、ウクライナ、ポーランド、ハンガリーを取材しました。この記事は、荻上チキ自身がまとめた取材報告、その後編です。

■イルピン、ブチャ、ボロディアンカ

私はキーウに滞在しながら、周辺の街の取材を行いました。ロシア軍がベラルーシ側から南進してきた際、戦闘や空爆が激しく行われていた、イルピン、ブチャ、ボロディアンカです。首都キーウの場合、ミサイルで攻撃されたのはごく一部ですが、隣町のイルピン以北に進むと、街の雰囲気が一変します。いたるところが攻撃を受け、破壊されているのです。

イルピンに入るための橋は爆撃で破壊されていた


キーウ中央からイルピン、ブチャまでは、わずか10キロほど。これら近郊地域は、キーウのベッドタウンです。マンションが多いキーウに比べて、一軒家なども多い住宅街。子育て世帯も多く住んでいます。その閑静な住宅街の中で、あちこちで攻撃の跡があり、屋根、窓、壁、車などが破壊され尽くされていました。

破壊された建物が、そこかしこにある


住宅街に無数の攻撃痕があることからも、ロシア政府側による「軍事施設だけを攻撃している」という言い分は、無理があるものだとわかります。

現地では街では多くの方に話を伺いました。攻撃を受けた街の市民の方や、その方々を支援するNGOの方などです。いくつか紹介していきましょう。