評論家でTBSラジオ「荻上チキ・Session」のパーソナリティ、荻上チキが、5月に東欧に入り、ウクライナ、ポーランド、ハンガリーを取材しました。ポーランドでは、国境付近で支援を行っている方、ホストファミリーとして避難民を受け入れている方、そして実際にウクライナから長時間かけてポーランドまで避難してきた方のお話を取材。また、ウクライナの中でも特にロシア軍による侵攻の被害が大きかったキーウ近郊の街では、現地の方々から、被害の実態を取材しました。この記事は、荻上チキ自身がまとめた取材報告です。

■東欧へ

5月14日。ウクライナとその近隣国で取材するために、東欧に飛びました。これは、自分が携わっている団体「社会調査支援機構チキラボ」による、「惨事支援ニーズ調査」の一環でもあります。

個人的には、ロシア・ウクライナ戦争に関する報道において、「戦況」「国際情勢」への注目が目立つように感じていました。一方で、取材当時すでに600万人を超えていた難民や、ウクライナ国内の生活者の声に耳を傾けることも重要だと考えていました。

UNHCRの集計データ


そこで、難民の人々がどういう生活をしているのか、それに対していかなる支援が行われているのかを知るために、現地へと飛ぶことにしたのです。

■戦争は、世界を遠回りさせる

まず目指したのはポーランドですが、ワルシャワに向かうフライトにおいてもすでに、ロシア・ウクライナ戦争の影響を感じざるをえませんでした。

機内に表示されていた空路


戦争の影響で現在、各国の航空機はロシア上空を飛ぶことができません。そのため私が乗った成田→ワルシャワ便は、成田からそのまま北上し、アラスカの西側を掠めた後、西へと直角に曲がって北極を通り、それからスイス経由でポーランドに入るというルートを通りました。なんという遠回り。しかも現在は、燃料価格の高騰の影響もあり、オイル代がチケット代へと大きく影響していました。