精子提供で生まれた男性『できるだけ正直に子どもに事実を話してほしい』

精子提供で生まれた子どもの権利はどうあるべきなのか。
横浜市立大学附属病院の内科医である加藤英明さんは、医学生だった29歳の時、研究の一環で自らの血液を検査したところ、父親と遺伝的な繋がりが一切ないことが分かった。

(精子提供によって生まれた加藤英明さん)
「突然、『実はお父さんは血が繋がっていないのよ』って。もう頭の中が真っ白になりますね。やっぱり父親とはしばらく、うまく話しにくかった時期がありますね。特に『お父さん』と呼びかけていいのかどうか。(Q言ってほしかった?)なんで言わないのよ、そういう大切なことをっていう」

加藤さんは、両親が精子提供を受けた慶応大学に開示を求めたが、何も分からなかったという。今も遺伝上の父親を探し続けている。

(加藤英明さん)
「父親に会いたいか会いたくないかって言われたら、そりゃ会いたいっていう。ただ一杯酒飲みに行ってくれればいいかなっていうのが僕の気持ちです。子どもの立場から言うと『そんな生まれ方をするのはごめんだ』と思います。両親はできるだけ正直に子どもに事実を話してほしいと思っています」

取材では、SNSでの精子提供で50人以上子どもがいる、と話す人物もいた。「子どもの出自を知る権利」については、超党派の議員連盟が今年中の法整備を目指して協議を進めている。