一時、1ドル=135円台半ばとなるなど、歴史的な円安が進んでいます。“このままいくと倒産するかもしれない”苦境にあえぐ現場を取材しました。
■ステーキ店 牛肉の仕入れ価格上昇で「利益ない」メニュー改定も

分厚いアメリカ産の牛肉を遠赤外線効果が高い溶岩石のプレートで焼くことで外はふっくら、中はジューシーなステーキに・・・。
霜降りが多くやわらかいミスジのステーキをたっぷり150グラム。これに、ご飯・スープ・サラダが食べ放題でお値段1400円!
お客さん
「最高です。おいしいです」
「この価格で食べられるというのは中々ないと思う」
しかし今、このお店を窮地に追い込んでいるのが・・・“円安”。
やっぱりステーキ 赤塚威 戦略本部部長
「恐怖でしかないですけど当然輸入のものを扱っている以上、為替の影響はもうダイレクトにもろにうけますので」
全国に89店舗を展開するステーキハウス「やっぱりステーキ」。
実は2022年2月、牛肉の仕入れ価格が上がったため、ステーキのグラム数を減らして提供するなど実質的な値上げを行いました。しかし、ここにきて円安によりお肉の価格がさらに高騰。
赤塚 戦略本部部長
「5%以上は(原価率)は上がってますね。原価率が5%以上 上がると飲食店は本当利益ないです。メニュー改定をもう一回しないといけなくなるのかなという懸念はもちろんあります」
お店側は仕入れ先を変えるなどし、極力値上げをしないよう努力したいといいます。
アメリカの金融引き締めへの懸念から一時、1ドル=135円台半ばと24年ぶりの円安水準を更新した6月15日の円相場。
■家計の味方100円ショップでも円安の影響が・・・原価100円超えで廃盤の商品も

100円ショップ利用客
「100円だと助かるなっていうのはありますけどやっぱりあるのとないのじゃ、便利さが全然違うと思うんで」
相次ぐ値上げで、家計の強い味方となっている100円ショップ。
ここにも円安の影響が・・・。
100円ショップの2021年度の国内市場は、コロナ禍での節約志向を背景に、前年度比5.8%増加の9500億円と成長を続けてきました。(帝国データバンク)
しかし、商品の多くが海外で作られ円安や原油高の影響を受けやすいのです。
100円ショップ「ビーワン」店員
「円安と原油高、ダブルで影響があるものがプラスチック商品。原価で言えば1割ぐらいはやっぱり値上がりしてるかなって」
Nスタ
「こちらの鍋は原価が100円を超えるため、廃盤になり店頭に並べれている分だけの販売になります」
また、100枚入りのポリ袋は80枚入りのものに切り変えて販売するなどし対応したいといいます。
帝国データバンクによると、急激な円安などのため5月に全国で倒産した企業数は517件。
その大半が個人店などを含む中小企業だといいます。