妻に捧げたプロポーズ『私が杖代わりになる』

 坂の上には道幅の狭いトンネル。抜けた先には北さんが毎回感動するという大好きな風景が広がっています。

 (北光次さん)
 「ビワイチの第一のビューポイントと言われているところなんですけれども。きれいですね今日は。水面は穏やかで」
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 お気に入りの景色を写真に収めて妻の早苗さんに送ります。

 (北光次さん)
 「景色のええところで撮って送っているんですけれども。『元気に走っていますよ』っていうしるしにですね」
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 結婚39年の2人。実は北さんが何度もビワイチに挑み続ける理由は早苗さんでした。早苗さんは1歳の時に「小児まひ」にかかり、足を自由に動かすことができません。
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 社内恋愛を経て、北さんは生涯早苗さんに寄り添うことを誓って、こんなプロポーズの言葉を捧げました。

 (北光次さん)
 「『晩年、私が杖代わりになって』ということで言ったような気がするんですけれども。それを達成するためには当然自分自身の足腰が丈夫でないといかんので」
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 (妻・早苗さん)
 「『僕が車いすを押すからな。絶対に最後まで面倒を見る』というか。『いい加減な気持ちで結婚するんじゃないよ』っていうことは言われたことがあります。そんなことを言ってくれる男の人は珍しい人やなと思いましたね」

 健康を保つことが早苗さんの足代わりとして一生を共にする力になると思い、ビワイチに何度も挑戦してきたのです。