「ここでリトレースしてもらえれば。」

ロープと専用の器具を使って崖などを降りる技術「懸垂下降」の準備です。隊員たちは、安定した立ち木などに素早くロープを結びつけ支点を作ります。ロープの緩みがないかも入念にチェックします。これまでに「懸垂下降」の経験がある平賀隊員も、先輩隊員と息を合わせて挑戦です。

「降下準備よし。降下!」

先輩隊員が見守る中、平賀隊員は慎重にロープを操作しながら斜面を降りていきます。救助現場では遭難者を背負って行うこともあるそうです。

「一、二、三。はい。肩かかってます。」

実戦を意識した雪の斜面で、遭難者役の隊員を乗せた特殊な担架を隊員4人がかりで慎重に降ろしていきます。担架が滑り落ちないようにロープも使います。

担架を降ろし終えた隊員たちは…。

【隊員は】「非常に肩にきます。実際、要救助者がいれば運びます。非常に足元が不安定なので、さらに厳しい救助になります」

【平賀隊員】「4人で息を合わせて搬送するというところで、非常に普段からの訓練の継続っていうのが大事なのかな」

ハードな訓練の中で、隊員たちの楽しみはやはりご飯です。

【隊員は】「手軽に食べれられる高カロリーなもの。普段から食べてますけど」

【平賀隊員】「ちゃっと取れるようなジェルだったり。まあ行動食。歩きながらでも食べれられるものが多いですかね」

常に緊張感を持って任務にあたる山岳遭難救助隊、山は危険な場所も多く、苦労もあるといいます。

【隊員は】「(家族は)出動すると不安がると思いますけど、(遭難者を)見つけるとやりがいがあります」