磨き上げてきた驚異的なスパート。さらなる進化を求めている田中に高橋キャスターが手応えを聞いた。
田中選手(左)高橋キャスター(右)

高橋キャスター:
ラスト1周のキレが本当に素晴らしかった。世界と戦う上での手応えは感じることが出来ましたか? 

田中選手:
確かにタイムだけで考えたら通用する域にはなってきたかなと思うんですけど、ラスト1周の中でも100mや50mごとのラップを見たときに最後まで加速していくことはできていなかった。

ラスト1周、400mのタイムを見ると、残り400mから300m、300mから200m、200mから100mは15秒で刻んでいるが、100mからゴールまでは16秒。最後まで加速し続けるスパートが田中の理想だ。

田中選手:
加速していくことで世界のトップと争えるような、(ラストの400mで)60秒を切っていくようなスパートができると思うので、ある程度は通用するタイムが出せたのは自信になったかなと思います。世界陸上は1500mでも5000mでも、どちらでも決勝に残って結果が出せるタフさをもっと出していきたい。

7月開催の世界陸上オレゴンに向け、意気込みを語った。


日本選手権5000m表彰式

高橋キャスターも1997年、ギリシャ・アテネで行われた世界陸上で5000mを走っている。

高橋キャスター:
こんな事はまったく考えたことがないですね!笑
確かに、以前取材に行かせていただいたときに練習の始まる前に必ず400mを課すようにしているんですって。それを60秒でやって体にしみこませているんだ、と。
それが練習から試合で出来るようになってきた今、世界陸上で100mごとを考え、最後100mで二段スパートができれば速いだけじゃない勝てる選手になるかもしれません。