与党との接近も辞さない玉木か、野党結集による政権交代を目指す前原か―。

玉木代表と前原代表代行の一騎打ちとなった、9月2日の国民民主党の代表選は、激しい論戦を繰り広げたが、玉木氏がダブルスコア以上の大差をつけ圧勝した。国民民主の連立政権入りの憶測もある中、戦いに敗れた前原氏は何を語るのか。そして、どう動くのか。“敗軍の将”へのJNN単独インタビュー。

「こんな結果になるのか」まさかの惨敗

国民民主党・代表選 開票結果

―結果を率直にどう受け止めるか?
「完敗やね。やはり結果として、(相手が)現職の代表で、しかも、うちの最大の応援団である民間産別のほとんどが(玉木氏を)応援されるっていうのは、『こんな結果になるのか』と」

JNNの単独インタビューに応じる国民民主党・前原誠司氏

―ある連合の幹部が「『維新と一緒にやる』という前原氏を支持するという選択肢はありえない」と話していた。

「(民間産別からは)『前原の推薦人にはなれない』という話も明確に聞きましたけども、それで生き残っていけるかどうかですね。私は、それはかなり厳しい選択肢だと思いますよ、むしろ連合、民間産別の方が。今や、“非自民・非共産”の中で、維新は排除できない存在であると。それを民間産別の方が理解するのか、されないのか。それによって、今後の政治のあり方が変わってくると思いますね」

玉木氏、前原氏 埋まらぬ溝

玉木代表は、代表選後の会見で「現体制が承認された。政策実現のために与野党を超えて協力、連携していくというのがベースだ」として、“玉木路線”の継続を宣言した。一方、敗れた前原氏も“非自民・非共産による政権交代”の旗は降ろさないと強調する。

街頭演説会の会場にて 玉木氏と前原氏の2ショット 

―前原氏は以前、「今の党運営のままだと将来性がない。党が無くなるんじゃないか」という趣旨の発言をしていた。今もその気持ちに変わりはないか?

「全く変わっていないですね。ただ、代表選挙では私が負けましたので。玉木代表の路線で行ってどういう結果になっていくのかということに責任を持つのは玉木さんですから」

「自分が議員である限りは、政権交代を目指してチャレンジし続けますよ。『政権交代を実現して世の中を変える』というのが、私が有権者の方々に申している約束ですので」

両者の主張の違いは選挙戦略でも明確となった。玉木氏は、政府提出の予算案に賛成する“奇策”も含め、党の存在感を示すことで比例票を上積みを目指すのに対し、前原氏は、他の野党との候補者調整によって自民党から小選挙区を奪い取ることに重きを置いている。これは、代表選の投開票の結果にも現れた。次期衆院選を控えた公認候補予定者や現職の衆院議員からは前原氏に賛同する票が集まり善戦した。敗戦後、前原陣営の一人は、「この声をしっかりと聞いてもらいたい」と玉木氏を牽制する。

―路線の違いだが、比例を重視するか、小選挙区を重視するかという対立もあった。

「まあ、それも玉木さんは悩んで来られてきたと思いますよ。だけども、どちらかと言うと、『比例重視で行こう』ということなんでしょう」

「衆議院には、やっぱり“野党協力・野党結集”をしてもらいたいっていう人たちがおられたということだと思いますね。うちは全国比例の参議院の方もおられますけども、そういった違いが出たのかなと」