5年間の地道な努力…「クマが出る前の対策」
奈良県出身の吉澤さんは、かつて長野県のNPOや北海道南部の江差町の研究室で、クマの対策や調査に取り組んでいました。
そして10年前、島牧村でユースホステルを営む男性と結婚したのを機に、島牧村に移住。

クマが毎晩出没した5年前、吉澤さんは「人の暮らし」とクマの出没について、こう話していました。
「2週間くらいごはんを食べていないときに、ラーメンの屋台が目の前を通ったら『食べたい!』ってなりますよね。クマにとってそういう状態を作らないための対策が必要になってくる」
コンポストや漁に使うエサの味を覚え、何度も住宅地にやってきたクマ。

クマを住宅地に引き寄せないために、できることがあるのでは…。
結婚後しばらくの間、クマ対策の現場から離れていた吉澤さんですが、島牧村で起きた“クマ騒動”をきっかけに、再び「クマとの共存」に向き合うことになります。
吉澤さんは、住民の有志や村の幹部職員と一緒に、クマ対策の先進地・知床を視察に訪れました。