「すごーい」。
 声を上げた子どもたちの視線の先にあるのは、大きなヒグマの頭の骨です。
 北海道旭川市内の小学校で、吉澤茉耶(よしざわ・まや)さん(40)は、骨を両手で持ち上げると、口をパカッと開いて見せました。

クマの授業/北海道旭川市・7月

 鋭く突き出した2本の歯が目に入ります。でも、ほかの歯は形が違います。
 「ここに肉食動物みたいな歯もあるんだけど、みんなみたいに…」
 平らな歯を指さすと、子どもから「似ている!」と声が上がりました。

子どもにクマの歯を見せ語りかける吉澤茉耶さん/旭川市・7月

 吉澤さんは「似ているよね!食べ物・草とかをすりつぶす歯もある。雑食なんだなってわかるよね」と語りかけます。

 1頭のクマが、彼女の生き方を変えました。