
5年前の夏…毎晩クマがやってきた
5年前の夏。
北海道の日本海側、後志地方の島牧村に、クマ1頭が毎晩のように現れ、住宅の庭や小屋を荒らしました。
クマが箱わなにかかるまで、2か月にわたって、住民は不安な日々を過ごしました。
実はここに、北海道全体に共通する課題がありました。
「人の暮らし」が、クマの出没につながっていたのです。

人口が減り、耕作放棄地が増えたことで、クマが生息する山と住宅の距離が近づいたこと。
生ごみを処理するコンポストや、漁に使うエサなどがクマを引き寄せたこと。

「人の暮らし」とクマの出没の関連性が見えたとき、「住民にできることがあるのでは」と立ち上がったのが、吉澤さんでした。