消防団員の減少を受け国も動き出しています。2021年に消防庁がとりまとめた「消防団員の処遇等に関する検討会」の報告書によると、「地域防災力の中核」である消防団は、団員の減少によって「危機的な状況」と分析しています。

そして県や市の操法大会について『見直しを検討するべき』として、その具体例を挙げています。
「実際の災害に合わせた装備や内容による大会の実施や、出場隊を輪番制にすることによる毎年の訓練の負担軽減、順位をつけない発表会形式として過度な競技性を抑止するなどの手法が考えられる」(消防庁の報告書より)

こうした国の動きを受けて大きな決断を下した自治体もあります。新潟市は、操法大会をやめ、代わりに実際の消火活動を想定した訓練を行うことにしました。実放水訓練では、実際の火災現場を想定してポンプ車とポンプ車をつなぎ合わせ放水するまでの動作を確認していきます。
【新潟市消防団 星雅彰団長】
「方面隊は方面隊で単独で放水訓練をやっているので、他の方面隊のをあまり比較して見ることはないので、そういうのは非常にいいのではと思っている」

操法大会の県大会には新潟市からもチームを出しますが、予選などは行わず参加は希望制にしました。
【県大会に出場した新潟市消防団員】
「他のチームの皆さんを見ると、『結構仕上がってきているな』と思ったので、うちらも頑張りたいなと思った」
少しずつ、変わりつつある消防団と操法大会。
災害時に重要な「共助」の柱をどう立て直すのか…今まさにその過渡期を迎えています。
