参加した親子の感想は

イベントが終わった後、子どもたちと親御さんにお話を聞きました。

女の子
「学校で配られたチラシを見て、気になったので来ました。療養所の人の暮らしが大変だなということがわかりました」

男の子
「ハンセン病になっただけで、ひどい差別とかひどい暮らしとか環境で一生生活しなきゃいけないから、本当につらいこととかよくわかりました」

女の子
「ハンセン病は、前にオンラインのイベントに参加したことがあったので知ってました。前回は映像だったので画質とかのせいでわかりづらい部分があったんですけど、今回は実際に行って中まで見ることができたので、詳しくわかってよかったです」

保護者の男性
「もののけ姫を見てて『業病』って呼ばれる人たちが出てくるので、この人たちが何でこういうことをしてるんだみたいな話を、包帯なんでぐるぐる巻きなんだろうとかっていうことを子どもに教えたかったっていうのもあって、難しいことを言うよりも実際にリアルなものを見て触れたほうが本人にもすんなりわかると思うので、その辺を期待して来ました」


「もののけ姫」の宮崎駿監督は、自宅近くにあるハンセン病療養所「多磨全生園」をよく訪れるということで、作品の中でハンセン病患者を描いています。前世の行いが悪いから病気になったとして「業病」と呼ばれた時代から感染症であることがわかった時代も差別は続きました。

児童・生徒たちへの啓発を強くしたい

おしまいに、イベントを企画した牛嶋さんに、実際にお子さんを前にしてどうだったのか、今後について何か感じていることはあるのか、話を聞きました、

国立ハンセン病資料館の学芸員・牛嶋渉さん
「私もすごく緊張しましたね。でも、参加してくれている子たちの顔がちょっとずつ柔らかくなっていくところを見ていると、準備は結構大変でしたけど、やってみてすごく良かったなと思います。このハンセン病問題を広く伝えていくための取り組みとして、児童・生徒たちへの啓発があります。ハンセン病問題は大人でも全部わかるというのはすごく難しいことかな、と思いますので、わかってもらえるところはわかってもらって、またちょっと学年が進んだり大人になった時に思い出して、ハンセン病問題について考えるきっかけになってくれればなというところを意識しながら説明しました。なので、かなり省いてしまった部分もあって、よくわからない部分もあったかと思うんですけども、今回、療養所での生活は普段の生活とは変わった環境に置かれるということと、理不尽な生活をしなくてはいけないというところをわかって欲しくて、体験してもらったという形になりますね。こんなイベントだけではないですけども、より多くの人にハンセン病問題について考えてもらえるきっかけをたくさん与えられるように頑張っていきたいですね」

イベントを企画した学芸員の牛嶋渉さん

なお、資料館の隣にあるハンセン病療養所「多磨全生園」には、今も100人くらいの人が住んでいます。平均年齢は88歳になります。みなさん既にハンセン病は治っていますが、後遺症や合併症、高齢化に伴う様々な疾患、心身の不調などを抱えていて、療養所で医療・介護を受けつつ、お花見やお祭りなど地域の人と交流をしながら暮らしています。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:進藤誠人)