世界陸上ブダペスト(8月19日~27日)で男子3000m障害に出場する日本記録保持者の三浦龍司(21、順天堂大学 )。21年の東京五輪では初出場ながら7位と、19歳という若さで日本人初となる五輪入賞の快挙を成し遂げたが、昨年のオレゴン大会は予選敗退。今大会は上位入賞を狙っている。

3000m障害は高さ91.4cmのハードル(男子)を28回、深いところで70cmにもなる水濠(すいごう)を7回跳び越えながら走り続ける過酷な競技。三浦は日本選手権を3連覇中で、国内では圧倒的な力を持つ。世界最高峰の選手が集うDLのパリ大会(6月)でも、約2年ぶりに自身の持つ日本記録を更新、8分09秒91をマークして2位に入るなどしている。

三浦は肩甲骨が柔らかく、可動域が広い。この“天使の羽根”のおかげで腕がよく振れ、連動する足の運びがよくなるため、軽やかに障害物を跳び越えることができる。さらに、三浦を指導する順天堂大の長門俊介監督も「国内の3000m障害を見れば三浦ほどラストが上がる選手はいない。入賞争いのキレはもう備わっている」とかつて話していたように、ラストスパートも魅力だ。

天使の羽根が表れる肩甲骨

17日(日本時間)にブダペストで行われた会見では今大会の予選のポイントについて「昨年のレースの経験からすると、前半、中盤っていうのは落ち着いたレース運びになって、最後1000mから振り落としになるのかなって思っている。そこのタイミングが前回は敗因につながったと思っているので、怖気づくことなく自信を持って前に出るというところは必要。それが決勝に進むための鍵になってくると思います」と話した三浦。

「昨年世界陸上に挑戦したんですけど、予選で落ちてしまってなかなか悔しい思いもしたので、今年は決勝に残って上位入賞を目指していきたい」と、世界陸上日本人初の入賞へ、意気込んだ。

【男子3000m障害】
■予選 
19日 午後18時35分~
■決勝
23日 午前4時42分~
※日本時間