それは、市議会でのことです。「いびきをかいて、ゆうに30分は居眠りをする議員が1名。『市民の関心により生まれる政治の緊張感』がまだまだ足りないという証左なのか」とツイッターに投稿。その6日後にも、このようにつぶやきました。「議会から異例の呼び出しを受けました。数名から、議会の批判をするな、選挙前に騒ぐな、事情を補足してやれ、敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝?あり」。これらの投稿は、県内だけでなく、全国で大きな波紋を呼んだのです。怒りの矛先は、議会だけでなく、石丸市長のもとにも多く寄せられたといいます。

「この現状を市民に伝える必要があった」との石丸市長の考えに対し、当時の山本優議長は、「居眠りをした議員には厳重注意したが、体調不良も原因だった」としたうえで、「議会のことだったら書かれる前に相談を受けたらよかった。お互いが前に進めていかないといけない」と弁明しました。また、恫喝をめぐる問題について、その後、全員協議会が開かれました。議会が回答した作成書によりますと「威圧的な発言はなかったと全議員が確認した」と結論付けられました。

石丸市長が就任してから3か月後、市議会議員選挙が行われました。このときは、40代の新人がトップ当選を果たすなど、市政に新しい風を起こしてほしいという市民の大きな期待が伺えました。

安芸高田市は現在副市長が1人ですが、2021年1月、石丸市長は、2人目の副市長を公募すると発表。記者会見で求める人物像について「市政の発展を支え攻め要を担ってもらいたい」と述べました。転職サイトを通じて公募した結果、想定よりはるかに上回る4115件の応募が集まり、選考の結果、災害復興支援などに取り組んでいる一般社団法人の女性職員が選ばれました。石丸市長は、市議会に議案を提出。議会の同意を求めました。