「国家の危機を思い、ああまでして飛び込んでいったのに、その真相は何であったのか」

 「家族のために」「国のために」さまざまな思いで京都大学から出陣した学徒。待ち受けていたのは絵の色彩のような陰鬱な未来でした。
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 無謀な作戦に翻弄された学徒の出陣から今年で80年です。

 【「日なり楯なり」より 林市造さんの手紙】「私は、壮烈なる戦死を喜んで征く。だが、世にもてはやさるる軍人も、政治家も、何と、薄っぺらな思慮なきものの多きことか。暗愚なる者共が後にのこりてゆくを思えば断腸の思いがする」

 【秀村選三さんの日記 1947年】「私たちは純な気持ちで国家の危機を思い、ああまでして飛び込んでいったのに、その真相は何であったのか。各自の責任を思え。すべてが偽りの世の中なのだ」

 忘れてはいけない学徒たちの思いです。