◆戦争取材は若い記者にとって重要な経験

戦前、自分たちでは何も決められずに死地に送り込まれた兵隊さんたち、空襲で被害を受けた一般の方々、本当にひどい目にあったと思います。そういう意味ではたとえ“8月ジャーナリズム”と言われようとも、きちんとこの時期には放送していく、新聞が書いていくことが必要だと思っています。

RKBではドキュメンタリー(2021年)を制作した大村由紀子さんの取材手記「28歳の青年はなぜ戦争犯罪人となったのか あるBC級戦犯の遺書」を、インターネット上の記事で公開しています。
RKBテレビの夕方のニュースでも昨日(8月7日)は『「さよなら」と別れた友人は爆撃で死亡した、逃げ込んだ森で児童31人が犠牲に~あの戦争を語り継ぐ』という企画を放送しました。


初めて戦争の取材をすることは、若い記者にとって非常に重要なことだと思っています。「8月しかやらないじゃないか」と言われないようにしながら、なおかつ「でも8月はしっかりやっていきたい」と思っています。


◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。東京報道部時代に「やまゆり園」障害者殺傷事件を取材してラジオドキュメンタリー『SCRATCH 差別と平成』やテレビ『イントレランスの時代』を制作した。