飼育を断念する学校が出てきている一方で、地域や保護者の協力を得ながら飼育を続けている学校もあります。例えば金沢市の伏見台小学校では、ウサギ1羽とカメ、メダカを飼育しています。夏休み期間も含めて平日は飼育委員会の児童が、土日は地域のボランティアが世話をしているそうです。

教育現場を取り巻く環境は刻一刻と変化する中、内灘町・たむら動物病院の田村兼人院長は、学校で動物を育てることのメリットについて次のように話します。
たむら動物病院・田村兼人院長
「教育現場で動物を飼うメリットは、人と動物が接することによって血圧が下がったり、気持ちが穏やかになっていくという生理的な効果が1つ。もう一つは動物を介することによって人と人とのつながりが密になっていく現象が現れるということ。学校の先生は非常に忙しいので、改革によって先生は非常に忙しいので『お休みはどうするか?』という問題が起きてくると思う。私たちの思いとしては、働き方改革で負荷が生じるようであれば飼育をやめるのではなく、どうやって上手に飼っていけるかということで子どもとの触れあいをなくさない提案をしていただけたらいいなと思う」
田村先生は、子どもたちが温かい動物に触れて動物の死を間近に見ることで、命の尊さや責任感、自己肯定感が養われていくと話しています。このほか、ウサギは負担が多いという学校には モルモットの飼育を提案しているということです。
モルモットはウサギに比べると飼いやすいということで、金沢市内の学校では飼育しているところもあるそうです。命の尊さを言葉で伝えるだけではなく、身を持って体験することで、生きものを大事にする心が育まれていくのではないでしょうか。