強い熱風のため、逃げることもできない…
次の画像は、複数の家屋が火災になった際、どのような現象が起きるか実験した様子です。火の中心に向かって吸い込まれるように強い風が発生し、複数の火が気流のようになって炎上しました。これが「火事場風」という現象です。



空襲の夜、富山市街地で、この「火事場風」が起きていたとみられます。
5歳で被災した小林紀男さん:「横に流れているぐらいの爆風というか、街の中というか家のまわりはもうすごい風だった…」
あの夜、焼夷弾がもたらした火災による猛烈な「火事場風」。小林さんの証言は、火の粉が真横に流れる強い熱風で、逃げるのが困難な状況にあったことを証明するものでした。
小林さんは結局土手を上がれず、下にあったどぶ川に身を潜めて助かりました。一夜明けて、神通川の川原で目にした光景は、焼夷弾の攻撃で亡くなった大勢の亡骸でした。

5歳で被災した小林紀男さん:「運というか、運命というか、人間の運命なんてわからないものですね。あまり戦争のことなんて、考えてこなかったけども正直言って。でも最近のウクライナはじめとして見てると、本当にもう、まだこれだけたっているのに、あれだけのことが起きているんだという気持ちになってなんといえばいいのかねえ…」

復興、鎮魂、平和を願う花火が、ことしも打ち上げられました。
