「潰れても困る人100人でしょう」へき地における “医療崩壊の危機”

背景には、へき地医療が抱える深刻な問題がありました。

(岩井医師)
「親病院(土庄中央病院)がね、合併して小豆島中央病院になります。新病院ね、ちょっと人手がもう...」

「巡回診療はすると思います。ただ本当にいま週4回のところが、週に2回、午後に2時間ずつとかね、もうその程度になる可能性は十分ありますね」

「へき地医療とは、いまや地域中核病院のことで、『無医地区の診療所?そんな潰れたって困る人100人でしょう?こっち潰れたら5000人困るんですよ』っていう。もう議論はそこですね。完全にへき地医療の定義が変わったと」

「だから、小豆島中央病院がいかに真っ当に動くかどうか、小豆島の住民3万人の医療がかかってるわけですよ。豊島住民の600人~700人のことなんか考える余裕ないんですよ」

「それを言われたら返す言葉がないんですよ。もう、今の医療崩壊はそこまで来ています」

(小澤さん)
「医療難民じゃないですけど、やっぱり移動能力が落ちてる方が加齢とともにすごく増えてきてるので。気持ちの中で、もう豊島には住むなっていうことかなとか思われる人も増えてくるんじゃないかなって思うし」

「ただ普通の暮らしを豊島でしたいなと思ってるに過ぎないと思うので、それをサポートしたいとは思うんですけどね」

最悪の場合、この先島から診療所がなくなることすら考えられます。島の命を守る診療所が、危機を迎えているのです。

第6回に続く)