施設に入った冨二さん(93)現れ始めた認知症の症状

夏場、気になるのは一人暮らしのお年寄りです。薬を届けながら、島の家々を巡ります。
この日は、島内の福祉施設を訪れました。冨二さんが入って1週間が経っていました。

(岩井医師)
「とーみじさん、ご飯食べれよるんかな」
(冨二さん)
「はぁすいません」
(サツ子さん)
「有難うございます」
(岩井医師)
「サツ子さんはちゃんとご飯食べよるか?」
(サツ子さん)
「私、この頃疲れが出てしんどうて、先生に注射打ってもらおうかと思って」
(岩井医師)
「注射よりも、栄養とらないかんよ栄養」
(サツ子さん)
「一人になったらどうしてもな」

自宅を離れた冨二さん。認知症が現れ始めていました。

(小澤さん)「豊島のナオミ荘って知っとるでしょう。冨二さんナオミ荘に入ったんですよ」
(冨二さん)「豊島に相談に帰りたいんです」
(小澤さん)「誰と相談したいんですか?」
(冨二さん)「何と言うても、家内とです」
(小澤さん)「サツ子さん?」
(冨二さん)「ここから定期便に乗るって言ったって、船賃もないんです」
(小澤さん)「そうですね...」

(小澤さん)
「またちょっと見に行こうかなと思ってて、顔がなんかやっぱし施設に入ると何がどうじゃないんですけど、顔が変わるでしょう。なんか人って」
(岩井医師)
「まぁね、家とは違うよね。それじゃ帰ります」

この後、うたさんの口から、思わぬ事実が知らされます。
(小澤さん)
「もうどうしたらいいんやろう、と思うんですよね。これで診療が週に2回とか3回に減るかもしれないし」

今、週5日設けている診療日、それがこの先、週2日に減るかもしれないというのです。