今から16年前の2007年、新潟市水道局に勤務していた男性職員(当時38歳)が上司のパワハラを訴えて自殺しました。残された男性の家族は「当時の上司のパワハラで自殺に追い込まれた」として新潟市に損害賠償を求めて訴えました。
そして2022年11月に新潟地裁は、亡くなった男性の仕事に対して適切な指導を怠った「上司の指導不足」を認め、新潟市には「注意義務違反」があったとしたものの、遺族が訴えていたパワハラについては認めませんでした。
その後、新潟市は控訴はせず、この問題を受けて再発防止策に取り組んできたほか、遺族と協議しながら、今後行う新たな取り組みの準備を進めてきました。
一方で遺族は当時の上司に対して直接の謝罪を求め続けてきましたが、当時の上司はすでに退職。「精神的に厳しい」という理由で、いまだ直接謝罪には至っていません。

2023年7月24日、亡くなった男性の妻(53)と長女(17)が会見を開き、”空白の16年間”を振り返りました。会見の中で、亡くなった男性の長女(当時1歳)は「失わなくて良かった命なのに…」と空白の16年間の胸の内を明かしました。
(「謝罪の言葉を求めたが実現せず…もう前を向いて生きていく」愛する夫がこの世を去って16年 妻が語る悲痛な声 から続く)