「失わなくて良かった命なのに。パパの声も温もり、なにも記憶にない…」
【男性の長女(17)※当時1歳】
私が1歳のときに父が亡くなってしまいました。父と呼べるまで一緒に関わることができなかったので、この場では父のことを“パパ”と呼ばせていただきます。

私は1歳の時にパパが亡くなったので、パパとの記憶は一切ありません。パパが私を抱っこしてくれたり、一緒に遊んでくれたりする写真を見て、パパの存在を知り、パパの声は疎か温もりや感触さえも一切記憶にありません。
それでも写真を見たり、母からたくさんパパに関するお話を聞いて、パパが優しく家族思いで私のことをずっとずっと愛してくれていたことを自分で気づくことができました

そんな中で私は当時、水道局のことを母から丁寧に教えてもらったとき、まだ状況を理解することはできず、小さいころはパパは病気で亡くなったと思っていました。病気で亡くなったとしても辛いのに本当は失わなくて良かった命を失ったと思うと、とてもとても悲しいし、いつも今ここにパパがいたらと思うと、悲しくて辛くて涙が出てきます。私は私の顔や雰囲気がパパに似ていると母が親しくしてくれた人から言われます。自分はパパと一緒にいた思い出がない分、自分とパパを重ね合わせて「パパはこんな感じだったのかな」と想像することがたくさんありますが、それでも想像したとしても、パパは空の上に行ってどうあがいても会うことはできないと思うと、喪失感に追われ、どうしたらいいか…分からなくなります。