■新型コロナで経済危機のトルコ救った攻撃用ドローン

兵器によって“株”が上がった国の一つはトルコだ。それに最も貢献したのはバイラクタルTB2という攻撃用ドローンだ。長時間の自律飛行が可能で、AIで敵を見分け正確に攻撃できる。ウクライナに販売され、この3か月だけでロシア軍に750億円の損害を与えたとして注目されたのだ。

トルコの最大手のシンクタンクのアナリストは「誇らしい」といいながらこう説明してくれた。

トルコのシンクタンク「へダム」 シーネ・オズカラシャヒン氏
「トルコの軍需品が大きな国際的役割を担ったこと、TB2が初めてで輸出品としてもほぼはじめての成功と言えます」
 
トルコは2021年、新型コロナや通貨安で経済的危機に陥っていたが、それを救った大きな要因がこのドローンでもあるというのだ。実際、セルビアやリトアニアなど、地政学的にロシアに近い国から購入の申し込みが相次いでいるという。さらにこのドローンを作っている会社の共同経営者はエルドアン大統領の娘婿なのも大きな要素だという。

■フィンランドやスウェーデンのNATO加盟にドローンが影響?

剛腕エルドアン大統領の娘婿が関係するドローン。このドローン効果はトルコの経済やウクライナの戦闘に寄与することだけではない。NATOに加盟申請しているフィンランドとスウェーデンの今後にも関係するかもしれないというのだ。



トルコのシンクタンク「へダム」 シーネ・オズカラシャヒン氏
「ドローンは国際関係のための資産となっていて、同盟国との関係強化のために使われています。例えば最近の例でいうと、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟でトルコとの間で緊張が生まれましたがドローン外交によって2国間の対話が可能になるかもしれません」

現にスウェーデンもバイラクタルの購入を検討していると表明している。近日中にプーチン大統領訪問を受けるというエルドアン大統領。果たしてどんな選択をするのか注目だ。

(BS-TBS 「報道1930」 6月2日放送より)