新型コロナウイルスの感染者数が県内で3週連続の増加となっています。新たな変異株が広がっていて専門家は夏休みやお盆の帰省ラッシュで人の移動が増えるなか今後、第9波への可能性もあると警鐘を鳴らします。
富山県衛生研究所 大石和徳所長:「今週くらいからはっきり増加が見え始めた。明らかに増え始めている」
富山県衛生研究所は先週1週間で県内48の医療機関で確認された新型コロナの新規感染者数が1定点あたり7.83人と前の週よりも1.79人増えたことを明らかにしました。

先週1週間の県内の新規感染者数の推計値は1775人。今月2日までの1週間の推計値840人と比べると倍以上に増えていて3週連続で前の週を上回りました。
富山県衛生研究所 大石和徳所長:「富山県は全国からは少し遅れて動いているというところでしたけども、2週間後に全国と同様に増加傾向になってきた」
記者:「県内での第9波も十分考えられる?」
大石所長:「今後ですね。それはあり得ると思うんですね」
大石所長は、全国で流行しているオミクロン株の新たな変異株「XBB系統」が富山県内でも猛威を振るいはじめたといいます。

富山県衛生研究所 大石和徳所長:「富山県では6月くらいまではほとんど1株くらいしか見つかってなかったんですけど…最近になってXBB系統に7割くらいが置き換わったことがわかったので。今の報告数の増加に、ゲノムの変化がかなり関係している可能性があるのかなと思います」
県内の新規感染者のうち、およそ7割がXBB系統に置き換わったと指摘。大石所長はXBB系統について、従来のワクチンでは重症化リスクを下げる効果はあるものの感染予防の効果はあまり期待できず注意が必要だといいます。
富山県衛生研究所 大石和徳所長:「(XBB系統には)今のワクチンを接種することでの感染予防効果はあまり期待できない。ワクチン免疫から逃れる、ワクチンが効かないという意味では、これが一番最強かもしれない」

新たな変異株が県内で広がるなか迎える夏休み、お盆の帰省ラッシュ。大石所長は改めて感染対策に注意が必要だと強調します。
富山県衛生研究所 大石和徳所長:「皆さん公共交通機関を使われると思いますので、そういった時には対人距離を置くということとか、あるいはマスクをしっかりをするとか基本的な感染対策を、今一度思い出して、しっかりしていただくことがこれから大事になってくると思います」