実名で経験を語り始める「その後の人生に大きな影響を与えると知ってほしい」
転機は2009年。参加した講演会で性被害当事者が数百人の前で話す姿に衝撃を受けます。「子どもの性被害はその後の人生に大きな影響を与えることを知ってほしい」、そんな思いが募るようになりました。和美さんも実名で過去の経験を語り始めました。
(講演会で話す柳谷和美さん)
「自分が好きな相手でもないのにそんなことをされて、自分の体が許せないんです。だから傷つけたくなるんです。もうこんな体、嫌やって」
これまで警察や学校など全国100か所以上で経験を語ってきました。
思い出したくもない過去を勇気を出して話しても、批判の声がSNSに届くことがあります。それも性被害当事者からです。
【和美さんへのメッセージより】
「まだまだ俺からしたらマシとしかいいようないわ俺も性犯罪とか普通にされてたし」
この男性に対して、和美さんはこう返しました。
【和美さんの返信より】
「判ってもらえなくても、聴いてくれなくても『声をあげる』ということからはじめていかなければ、被害者は、いつまでも泣き寝入りを強いられるのは悲しすぎると思います。私は、私にしかできない範囲ですが声をあげる選択をしました」