【裁判詳報】
男の初公判は、7月6日に福島地裁で開かれた。
男は、過去にも飲酒運転で事故を起こし「飲酒運転は二度としない」と両親に約束していた。なぜ男は飲酒運転を繰り返したのか。そこには、交際相手との「花嫁衣装」をめぐるトラブルがあった。
携帯に届いた写真 そこには“花嫁衣裳”を着た彼女が
男(35)は今年4月16日の未明、酒を飲んだ状態でワゴン車を運転。福島市の国道114号で新聞配達中の男性(当時76)が運転する原付バイクと衝突して男性を死亡させたにもかかわらず、逃走したとして、過失運転致死と道路交通法違反の罪に問われている。
初公判で男は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
その後の検察官の冒頭陳述と、検察官と弁護人の双方からの被告人質問で、事件の詳しい経緯が明らかにされた。
男は職を転々としたあと、土木建設会社に勤務し、事件当時は南相馬市にある会社の寮に住んでいた。男は、福島市内のパブで働くフィリピン人女性と交際していて、結婚を控えていた。仕事の合間を見てはワゴン車を運転し、女性が働くパブを訪れ、女性と会っていた。
事件の数時間前にあたる4月15日午後10時すぎ、男の携帯電話に交際相手の女性から、写真付きのメッセージが送られてきた。その写真に写っていた女性は「和風衣装」を着ていた。2人の結婚式で着てもらうため、男が女性にプレゼントしたものだった。男は女性に、接客の時にはその衣装を着ないよう注意していたため、その写真を見ていらつき、一言言いたい気持ちになった。