宮崎に根付く教育システムの効果に疑問

受験対策などのため必要とする一方、生徒や教員の負担の問題などさまざまな声があがる朝課外。

宮崎大学の遠藤准教授は、朝課外を含め、宮崎に根付く教育システムには、その効果に疑問があると指摘する。

(宮崎大学 遠藤宏美准教授)
「朝課外に限った話ではないが、宮崎の子どもたちは宅習とかで非常に勉強する。学習量では基本的に多いと思うんですね。
でも、全国学力テストの調査の結果、高校での朝課外での大学進学率や学力の点でどうかと言われると、決して全国的に上位ではないと思うんですね。
じゃあ意味があったのか、というのは検証するべきだとは思います」


県内でも2校が廃止も 現場では手探りで・・・

いま、九州各県では朝課外を廃止する動きが広がっていて、県内でも高千穂高校と宮崎北高校で今年度から廃止された。


このうち、高千穂高校では時間割の抜本的な見直しに伴って朝課外を廃止した形だが、生徒からは次のような意見も聞かれた。

(生徒・3年生)
「時間の余裕が出てきたので、その時間を使って自分のしたい勉強ができるようになったのでよかったです」
(生徒・2年生)
「以前は、登校したらすぐに授業を受けて、無理やり頭に詰め込むという形だったんですけど、落ち着いて授業に集中できるようになったと思う」


学校では、夕課外の時間を延長するなどして学習時間をカバーする方針だ。

(高千穂高校・進路指導主事 橋本淳教諭)
「大学進学に向けての不安は、これからおそらく生徒たちの中にも、われわれ教職員の中にも少しずつ出てくると思う。今年1年間は手探りでやっていく中で、また変えるべきところは変えると思います」


長年、当たり前のように続けられてきた朝課外。
教育環境も変化する中、そのあり方を巡って現場で模索が続いている。