兵庫県尼崎市が次々と“いわくつき”の建物を買い取っています。いったい、なぜなのでしょうか?
空き店舗の増加で治安悪化を懸念…尼崎市が一帯を買い取り
阪神尼崎駅から西に約1kmの場所に現れる長屋街・通称「かんなみ新地」。戦後すぐに遊郭として始まり、約70年にわたって飲食店を装って違法に性風俗営業を行う店が集まっていたとみられています。
そんな街に去年11月、衝撃が走りました。尼崎市と警察は、70年の歴史の中で初めて、違法な風俗営業の中止を求める警告書を出したのです。
その結果、警告書を出した翌日には、風俗営業をしていたとされる36店全てが一斉に閉店。
(尼崎市 危機管理安全局長)
「一斉に閉業するなんて、全然予想もしていなかった」
市も驚きを隠せませんでしたが、同時にある問題が浮上したといいます。
(尼崎市 危機管理安全局長)
「商売地域が一画で全部閉まっているという状況の中で、地域の方からも子どもに対する不安であったり治安悪化の不安がありましたので」
地域住民から性風俗店の再開や空き店舗の増加で治安が悪くなることへの懸念の声があがりはじめたのです。
そこで市は、今年5月31日に一帯の土地と建物を買い取り、更地にして売却する方針を明らかにしました。