「たまに涼む。穴場やね」「古き良き時代を残してほしい」

 2023年、ガリバートンネルは90歳を超えました。阪神電車三宮駅の地下化や、そごう神戸店が開業した昭和8年(1933年)にはすでにあったそうです。
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 元々、ガリバートンネルは全部で4か所。戦後、多くの車が行き交うようになった大通り。駅に降りった人たちは横断に安全な地下道を使い、ガリバートンネルから出て市電の停留所やそごうへ向かったのです。

 いま残っているトンネルは1つ。かわりゆく神戸の街を見つめてきました。
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 午後5時、トンネルの階段に腰をかける人が…。声をかけてみました。

 「この辺は休むところがないから、ここやったらちょっとね。けっこう涼しいんですよ、ここ。風が熱風がないですから、たまに涼んでいます。穴場やね、私らの言う。(Qすごくいい風が来ますね?)来るでしょ、けっこう涼しいんよ。一服するのにいいですよ。路地の風がね、風流な感じでしょ」

 買い物のあと、階段で夕涼みをしていたこちらの女性。時々、ここで荷物を整理して一服するんだそうです。

 「(Q何を買った?)きょうはね、うなぎがおいしいところあるから、そこでうなぎを食べて、そして買い物して、あしたのお弁当のおかずを買って帰る途中です。もう70歳を過ぎました。自分のためにね、足の運動のために。やっぱり活気があるじゃないですか、三宮は。だからたまに来ています。ゆっくり歩いて」

 暑さをしのいだ女性。ゆっくりと家路につきました。
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 夕方、熱心に写真を撮る女性がいました。

 「(Q通勤?)きょうはお買いものなんですけど、職場はこちらのほうで。きょうは仕事が休みで、おでかけして買い物して。もしかして、もうすぐなくなっちゃうのかなと思って。(Q昔からトンネルは知っている?)知っています」 

 ヨガのインストラクターをしている生まれも育ちも神戸だという女性。このトンネルを見ると少女時代がよみがえるそうです。

 「もともと六甲だったんですけど、生まれが。だから小さいころに母とそごうへ行く時に通ったという思い出があります。子どもなのでいろいろ歩きたかったりするじゃないですか。なんか周りがどんどん開発されていく中で、古き良き時代を残してほしいとすごく思います。なくなっちゃうんですかね…」

 神戸の街がどんなに変わっても思い出が色あせることはありません。