■「奇跡のバックホーム」その瞬間

引退試合の終盤。一打逆転のピンチで、打球はボールがきちんと見えないはずの横田さんの方向に飛んでいきます・・・

(横田さん) 
「いつもみたいにボールが見えにくくて…自分一人の力じゃないような気がしました。目標から逃げずに、自分を信じて自分に負けずに戦って来てよかったなと思いました。」

野球に向き合い続けた横田さんだからこそ生まれたビッグプレーでした。

【画像で見る】横田慎太郎さん 入団会見・引退会見 闘病について講演活動も

引退後は、自身の経験を伝えるべく講演などを中心に活動を続けて来ましたが、2度目の再発が分り今年3月から闘病を続けていました。

(講演会での横田さん)
「諦めずに前を向いて少しずつやっていけば、最後は必ず幸せな瞬間は起きるので、1人でも多くの人の力になりたいと思いながら、頑張って日々生活している。」

家族によりますと、つい先日も、いま開催中の高校野球県大会の母校・鹿実の試合で、勝利後の校歌の映像をじっと目を開いて見入り、最後まで野球と向き合っていたという事です。

(鹿実野球部 宮下正一監督)
「今年5月にあと10日、2週間くらいでだめかという話は聞いていたが、あれから2か月よく頑張った。最後の最後まで生きることに対して純粋に貪欲に頑張ってくれた。野球人としても人間としても鹿実の誇り。慎太郎のことを私が監督である限り語り継いでいく。」

横田さんは、7月18日午前5時42分、病院で家族が見守るなか、眠るように息を引き取りました。

母・まなみさんの「若いから、しんみりとではなく、にぎやかに送り出してあげたい」との思いに家族も賛同し、今月21日の通夜、22日の告別式は、一般の人も参列できる形で開かれました。

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